あさイチ 睡眠負債

これまで睡眠は単なる休息状態と考えられてきた。

それ以外の役割が分かってきたのは最近である。

 

睡眠不足を大したことがないと放っておくと、いつの間にか借金のように積み重なってしまう。それが、睡眠負債。この状態が続くと、深刻な病気になるリスクが高くなることが明らかになってきた。

本人は体が慣れてしまい眠気がなく、睡眠負債に気づかないこともあるので、要注意。

本人も気づかないところで、注意力・集中力が落ちて、日々の生活のパフォーマンスが落ちることがある。そして、本人が無自覚だと病気になるリスクが高まる。

 

睡眠負債になると、免疫細胞の働きが低下。

睡眠負債ががん細胞の増殖を加速させることがわかってきた。

 

睡眠負債が続くと認知症の原因物質が脳に蓄積しやすくなるという。

 

他にも脳卒中、心筋梗塞、高血圧症、肥満、うつ病などのリスクを高めたり、進行を早める。

 

宮城県の住民2万4千人を9年間調査して、睡眠時間が6時間以下の人は7時間の人に比べて、乳がんになるリスクが1.67倍高いことがわかった。

 

成人は7時間前後、寝ることが大事。

子どもは8~10時間、寝たほうがいい。

必要な睡眠時間の個人差はある。

質のいい睡眠が大事。

 

<リスクをチェックする>

ここ1か月の睡眠は・・・

第1問

寝床についてから実際に眠るまでどのくらいの時間がかかりましたか?

A寝つきはよかった

B少し時間がかかった

Cかなり時間がかかった

D非常に時間がかかった(または眠れなかった)

 

第2問

夜間、睡眠の途中で目が覚めましたか?

A問題になるほどではなかった

B少し困ることがあった

Cかなり困った

D深刻な状態(または全く眠れなかった)

 

第3問

希望する起床時刻より早く目覚め、それ以降眠れないことは?

Aそのようなことはなかった

B少し早かった

Cかなり早かった

D非常に早かった(または全く眠れなかった)

 

第4問

夜の眠りや昼寝もあわせて、睡眠時間は足りていましたか?

A十分である

B少し足りない

Cかなり足りない

D全く足りない(または全く眠れない)

 

第5問

全体的な睡眠の質について、どう感じていますか?

A満足している

B少し不満である

Cかなり不満である

D非常に不満である(または眠れなかった)

 

第6問

日中の気分はいかがでしたか?

Aいつも通りだった

B少しめいった

Cかなりめいった

D非常にめいった

 

第7問

日中の活動(身体的・精神的)はいかがでしたか?

Aいつも通りだった

B少し低下した

Cかなり低下した

D非常に低下した

 

第8問

日中の眠気はありましたか?

A全くなかった

B少しあった

Cかなりあった

D激しかった

 

Aは0点

Bは1点

Cは2点

Dは3点で計算。

 

10点以上は危険度が高い

6~9点は、危険度は中

5点以下は危険度は低い

 

女性のほうが睡眠時間が短い傾向がある。(女性は育児・家事・仕事・介護の負担がある場合がある)

 

睡眠負債の危険度が中、高と出た場合の対策は、「これまでより長く寝るようにする」こと。

ただし、週末の寝だめに頼ろうとすると生活リズムが乱れ、平日の睡眠に支障がでることがあるので、注意。無理して、一度に返済するのではなく、コツコツ地道に返済するのがベスト。

どうしても眠れず、日中の気分の落ち込みなどがある場合は、医師などの専門家に相談することがおすすめ。

 

先生のアドバイス

*朝、日光に当たると、体内時計の調整・改善に効果的で、夜眠りやすい。

朝、10~15分は日光を浴びたほうがいい。

 

*蛍光灯を朝つけても、日光ほど必要な光をあたえることはできない。

 

*寝る前に新聞、テレビ、スマホをしていると、眠りやすくするホルモンの「メラトニン」の分泌を抑制させる指令が脳に送られ、眠気を妨げてしまう。

 

*寝るときは照明を消す。

 

*テレビをつけたまま寝ない。

 

*夜更かしを続けると、体内時計がずれ、メラトニンの分泌も遅くなる。

 

*2度寝より1回の睡眠のほうがいい睡眠といえる。

 

*運動部の学生は10時間くらい寝るのがいい。

 

*悪夢が多い場合は、ストレスがかかっている。精神神経科か睡眠の専門医療機関を受診することをすすめる。

 

*夕食後は水分を控える。午前中に水分をよくとる。

 

*寝る直前に食べると寝つきは悪くなる。肥満にもなりやすい。

食事は寝る3時間前に終わっておいたほうがいい。

 

*昼寝 子ども10分

成人 15~20分

高齢者 30分前後

1時間以上寝ると、悪影響がある。

寝るときはアラームをかける。

 

質問

産後にたまった睡眠負債について。リセットする方法はあるのでしょうか?

 

答え・・少しずつ返していくことでリセットできる。

出産後、3~4か月は赤ちゃんのリズムがまだできていないので、振り回される。

自分のスケジュールで寝ることをまず考える。すると赤ちゃんも早く寝るようになる。

 

質問

1年前から睡眠導入剤を飲んでいます。薬で眠れていれば、負債にはならないのでしょうか?

答え・・短期間は睡眠導入剤を飲んだほうがいいこともある。

ずっと飲みつづけると、薬がきかなくなるので、浅い睡眠など不具合がでてくる。主治医の先生と相談して、やめることも検討すべき。睡眠導入剤は3か月以上は飲まないほうがいいといわれている。

 

認知行動療法や生活習慣を変えるなどで治ることもある。

 

質問

平日は仕事が忙しくてなかなか睡眠時間の確保がむつかしい。休日、たっぷり寝ることで睡眠負債は返済できていますか?

 

答え・・寝すぎるとその夜は寝れない。悪循環になりやすい。

また体のリズムが乱れやすい。

平日でもあと30分早く寝るようにするか、休日もいつもより1時間早く寝て、1時間遅く起きるとある程度、睡眠負債の返済ができる。

 

質問

深夜のサッカーを息子が観戦したがっている。観戦日の前後の過ごし方にアドバイスがあればお願いします。

 

答え・・楽しいことはたまにはいい。その前に睡眠負債をためこまないようにする。観戦日のあとは、いつも通りに寝るようにする。

 

質問

毎日、忙しくて3~4時間しか寝ていません。せっかく長く寝られるという日でも必ずといっていいほど、3時間程度で目が覚めてしまいますもう少し、深く長く寝られるように身体を戻すにはどのような方法がありますか?

 

答え・・むつかしい質問。生活を見直さないといけない。

実際の生活のスタイルを見ないとアドバイスはむつかしい。